緊急度の低い救急車の出動要請が増え、急病人の搬送に支障が出るなどの問題が、これまでも全国的に指摘されてきている中、横浜市では明らかに緊急性のない不適切な要請に対して「罰金」を科す条例を設ける検討を始めた。平成19年度中の制定を目指し、詳細を検討していく方針で、このような条例は、制定されれば全国で初めてとなる。
横浜市安全管理局によると、市内で119番通報などによる救急車の出動要請は年々増加しており、平成17年は1年間で約16万2千件となっており、これは約3分14秒に1回出動していることになるという。市では、このうち約4分の1余りは、実際より症状を重く伝えるなどして緊急性がないのに救急車を利用していたとみており、中には、明らかに不適切であることを知りながら、通院手段の確保のため虚偽の症状による手動要請をしたり、まるでタクシー代わりに利用したりする例も少なくないという。
市ではこのような不適切な利用を防ぐ対策について、救急医療の専門家らをメンバーとする同市安全管理局の検討機関で検討してきたが、今回、そこからの提言を受けての判断となった。
条例では119番通報を受けた場合でも、症状に緊急性がないと判断される場合には、救急車の出動を断ることや、明らかに嘘をついて救急車を利用するなど悪質なケースには5万円以下の罰金を科すことなどが盛り込まれる予定。
今後、市には、不適切な救急車の出動要請に該当するか否か、市民に分かりやすい基準を検討し、周知することが求められる一方、市民にとっても救急業務の適正な利用環境の維持のため、一層のモラル向上が求められることになる。
(2007年1月10日更新)
◆横浜市安全管理局
http://www.city.yokohama.jp/me/anzen/
◆総務省消防庁「平成17年版救急・救助の概要(速報)」http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/180911/180908sokuhou.pdf